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2006年8月 7日 (月)

下妻物語

[2005年・監督/中島哲也■おすすめ度★★★★★ 観ておくべき度★★★ 思い入れ度★★★★]

下妻物語 スペシャル・エディション 〈2枚組〉 キッチュで軽やか。だけど、そんな見てくれ以上に、以外と骨太なお話だったりする映画。

これは「ルール」についての物語。

パチンコ屋で阿部サダヲ扮する「一角獣」が言う。「それがここのルールってもんだろ?」
そう、パチンコ屋にはパチンコ屋のルールがある。
下妻という土地には下妻のルール。「服はジャスコで買う」。

主人公のひとり、イチゴの属するヤンキーレディース集団も、やはりルールがある。仕事、土地、家族、団体…人間が共同体を営む以上、あらゆる場所にはその集団ごとのルール=規則が形成され、人々はそれを遵守することによって所属意識を持ち、「何かに属している」という安心感を得ているのだ。
桃子の大好きな代官山という土地にも、そこを訪れる人たちの着る「ファッション」を統一するということで暗黙のルールを作っている。それはイチゴのそれとは明らかに異質のもの。服装=ユニフォームとは、所属を明確にするための極めて簡易なアイコン。だからイチゴたちヤンキーはお揃いの特攻服を纏う。

桃子にも桃子独自の「ルール」がある。ロリータというルール、すべてに対し距離を置くというルール。彼女は自分でそれを作り遵守して過ごすことで、他の共同体には所属しないというスタンスを築いている。
「何ものにも属さない」ということはノー・ルールではなく、他の独自のルールを築きその下に生きていくということなのだ。
だがそんな桃子だって仕事を得れば「納期」というその仕事のルールには従わねばならないのだが。
共同体の中で、そういったルールを守って生きてさえいれば、社会的な地位と安寧な日々は保障されているのだ。

けれどこんな「ルール」だらけの中で、桃子もイチゴも、いったいそのルールを破ってまでも守らねばならない、もっと大切なものは何なのか…それがこの映画で伝えたいことなのだろう、と私は思う。

基本的にはティーンズが中心読者の小説が原作のせいもあるせいか多少はプロットの甘い部分もあっても、単なるキャッチーな泡沫作ではない。

「下妻物語」は、紛ぎれもなき傑作である。

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