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2006年9月24日 (日)

ゴジラVSメカゴジラ

[1993年・監督/大河原孝夫■おすすめ度★★ 観ておくべき度★ 思い入れ度★]

ゴジラvsメカゴジラこの作品で前々作「VSキングギドラ」ですっかり歪みきった平成ゴジラシリーズの方向性が、修正不能な形に決定づけられてしまったという点において忘れ難き作品。「VSモスラ」で多少はナンとかなるかナ? とも思えたものの、これは平成ゴジラのもう戻れないフェイル・セーフを超えた一作だった。

それでも良いところを探してみれば…メカゴジラの造型は認める。賛否は当然あるだろう。ボク自身もかつてのゴツゴツしたメカゴジラのほうが実は好みだったりするのだが、それをなんとか現代風メカにアレンジしている、という意味でそれなりに評価はしたい。(丸顔なのだけはカンベンしてほしいが。)
そりゃいいハズで、デザインは「ゴジラ伝説」の西川伸司だ。メカゴジラについての思い入れ度といったらそりゃハンパじゃないだろう。

知らないヒトのために簡単に説明しておくが、「ゴジラ伝説」とは西川氏が同人誌で発表した、それこそ伝説的歴史的作品で、その作品中でも思い入れたっぷりに描かれているのがヘドラとこのメカゴジラ。やはり思い入れの深い人の造ったものには畏敬の念が自然と生じてしまう…って、結局は単に西川氏のファンなだけなんだろうな。
悪くいえば、どうしても漫画畑の西川デザインは、二次元には映えるのかもしれないが、それが立体になったとき必ずしもカッコいいものにはならない、ということにはなるのだが。

合体してスーパーメカゴジラになるなど、アニメ演出からの影響、というか苦し紛れ気味の設定も目に付くが、好みの問題かもしれない。正直ボクはあまりこの設定は是とは考えていないが、あの時代、怪獣映画をどうにか盛り上げようと頭をひねった結果なのには同感する。
ただ…やはりキングギドラと同じく、メカゴジラも自衛隊の兵器に貶めるのにはどうにも納得いかないのだが。

ストーリーについては…もはやキッズ・ムービーだと開き直った感が強く、安直な展開が目に余る。
中でも、いったん死んだゴジラがラドンの命を吸って復活する、などというクライマックスの展開など、ご都合主義を通り越していい加減もはなはだしい。もはや物語を投げているとしか思えない。怪獣のバトルを延々と人間に説明させる、という平成ゴジラの悪習もこの映画で全開する。
何度でも描くが、このようなナメたつくりが映画をダメにするのだ。作り手は常に真摯でなければならない。

物語中のメカギドラのサルベージと共に「VSキングギドラ」の悪夢的駄世界もまた引きずり出し、蘇らせてしまったのが本作だった。平成ゴジラは最後までこのダメダメな設定世界のまま続いていかざるを得なくなる。
これこそ、このシリーズの悲劇であった。

それでも本作はヒットした。思えばこれが以後の平成ゴジラを貶める一因となったのではないだろうか。どれほどゴミのような内容のコンテンツでも、パブリシティさえしっかりやっておけば客は入ってくるのだ、という法則に会社が気付いたのだ。

以後、ゴジラは単なるモンキービジネスの化身となり、日本列島のご当地を順繰りに暴れ廻されることになる。寅さんのように。

ゴジラ映画は、正月のコドモのお年玉を簒奪するただの集金システムとなる。

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