2006年8月 9日 (水)

ロボコン

[ 2003年・監督/古厩智之■おすすめ度★★★★ 観ておくべき度★★★ 思い入れ度★★★★★]

ロボコン 青春ものというと、たいがいの場合は恋人や死んだ友や双子の兄のために甲子園を目指したり、よくわからない格好のちょっと不良っぽい輩が渋谷あたりを闊歩して仲間のひとりがケンカで死んだりするものだけれど(それはちょっと色メガネすぎるか)、そのことについてかねがね個人的には疑問を持っていた。もっとフツウの、地味な学生たちの映画があったっていいじゃないか、と。

これはそんな地味なものたちの映画。

なにせ物語の舞台は高専。どちらかというとマイナーな世界。その中で更にロボットコンテスト、『ロボコン』出場にかける学生達のお話である。「ロボコン」じたい天下の公共放送・NHKが取り上げてはいる競技会だけど、一般的知名度はどうか…というと疑問だ。

長澤まさみ、塚本高史、小栗旬、伊藤淳史…と、今でこそ知名度のあるキャストが揃っているけれど、当時はそれほどでもなかったのも事実。

こんな、どこをどう取ってもヒットに繋がりそうにない映画を作ったことにまず敬意。

だが、そんなヒットからは少し距離を置いた作品(失礼!)だからこそ、スポ根でも何でもない、いかにも文化部系のだらだらとした仲良しクラブ的な世界を描くことも可能だったのではないだろうか。特に理系文化系クラブに籍を置いた経験のあるものなら非常に共感できる世界がこの作品では展開される。化学部、生物部、物理部、地学部、天文部…など、そういったトコに入部経験のある人にはちょっと機会があったら観てほしい。

そうでなくてもきっとこの映画を観たら「ああ、あんなコトもあったなァ」と思えるかも。そんな、どことなくセンチメンタルも想起させてくれる小品。それはたぶんどこかで脚本も兼ねた監督の学生時代の経験も反映されているのかもしれない。作り手がいかにその想い出を大切にし、温かみを持って収っているかを、ほんの少しだけ覗き見せてくれた…そんなかんじかもしれない。

ものを作る側として、ホントは自分もこんな作品を手がけてみたいなぁ。

けどそれを懐かしむ世代よりも、登場人物たちの同世代にぜひ観てほしい作品。

まだまだド新人だった、「セカチュー」に出る前の長澤まさみがいい。

今でこそ大女優への階段を着実に登りつつある彼女だが、本作でのグズグズとした仕草がたまらなくカワイイ。個人的には、この長澤まさみがイチバンだと思うのだが…

ともかく、彼女のファンなら一度は観ておくべき一本。

ロボコン
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古厩智之 長澤まさみ 小栗旬
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